第7回企画会議
ナスノカイチューは、本日キングダムに呼び出され、やってきた。
カイチュー「キングダム、来たよ。居る?」
しかし、開発室はもぬけの殻で、代わりに置手紙が。カイチューはそれを取った。
カイチュー「なになに……? 『カイチューへ。今日は突然の呼び出し、すまなかった。実は今日はお客が来る予定で、その方を加えて第7回企画会議の予定だったんたが、俺は別の会議で出られなくなった。だから、今日はお前と二人で会議を進めてくれ。詳しい事はそいつに聞いてくれ。よろしく頼む……』」
読み終えたとき、コンコンとノックする音が。
カイチュー「はい」
扉があくと、そこにはいつも議事録を書いてくれる書記と黄色いチョコボが1羽。
書記「失礼します、キングダム係長のお客様を連れてまいりましたが……」
カイチュー「は、はい。どうぞ……」
そして、カイチューはその黄色い羽に対し挨拶をした。どうやら牝のチョコボらしい。
カイチュー「初めまして、ようこそお越しくださいました。私は広報部のカイチューと言います。本日は係長の代理で応対いたします。失礼ですが、お名前は……?」
そう言うと、1枚の名刺を差し出した。
カイチュー「SGカンパニーのステラフェザー様ですか?」
ステラフェザー「ええ。でも、堅苦しいのは嫌いだから、ステラで構わないわ」
カイチュー「はい、ステラさん。ところで本日はどのようなご用件で……?」
ステラ「キングダム係長から何も聞いてらっしゃらない?」
カイチュー「恥ずかしながら……この1枚の手紙を渡されただけで……」
ステラ「全く、困ったものね。係長も。こういった部下を持っていることを幸せと思わないといけないのに……」
カイチュー「本当に。ただ、根はいい羽ですので、あまり悪く言わないでください」
ステラ「しっかりしてるね、君。弟にも見習ってほしいものね」
カイチュー「弟さんですか?」
ステラ「ええ……まあ、この話は後でも良いでしょ。そろそろ会議をはじめないとね」
カイチュー「はい。ところでキングダム……係長とはどういうご関係で?」
ステラ「そうだったね。今日から私は出向でこちらに配属する事となりました。先日、私たちSGカンパニーとサンシャイングループが共同制作する友好的な提携をした中での一環です」
カイチュー「そうなんですか。失礼いたしました、本当に何も聞いてなくて……」
ステラ「良いの。あなたは悪くないんだから」
カイチュー「はい。それで、企画会議を進めてくれ、と言われましたが……」
ステラ「そうだったね。早速やりましょう!」
カイチュー「それで議題は?」
ステラ「今日は忘らるる都杯の 二次予選以降における牝羽優遇ルール について説明するわね」
カイチュー「牝羽優遇ルール、ですか?」
ステラ「ええ。私達のような牝羽は通常、牡羽のようになかなか能力の更新が難しくて、育ちにくいと言われてます。ですから、シャッフルオールスターではホワイトロリータが牝羽として優勝したけど、ベスト10はその1羽だけ。フレッシュオールスターGP3でも牝羽は12羽以内に2羽しかいないということになってる。それだといけないと思うの」
カイチュー「なるほど。それもそうですね。実際のレースでも多少のグラビデハンデがついてますからね」
ステラ「でしょ? なら答えは簡単、牝羽を多少優遇しながらも、牡羽があまりに不利にならないルールをつけるの」
カイチュー「そのハンデとは?」
ステラ「まずは、優先順位の決定法からね。本来なら、ポイントで決着がつかなかった場合、最高着順・それでも決まらなかったら2番目までの順位で算定するものだったわよね?」
カイチュー「そうですね。それで決まらなかったりしたらプレーオフとかやっていましたね」
ステラ「あれをポイントが同点だった場合、牡羽より牝羽の方が優先順位が高いってしたらもっと牝羽が決勝参戦できる可能性が増えると思わない?」
カイチュー「まあ、同点だった場合は牝羽優先なら、より強い牝羽を作りたいって思う人も多くなるかもしれませんしね」
ステラ「なら決定ね。それなら次に……」
カイチュー「(決断、早w)」
ステラ「ん? なにか言った?」
カイチュー「何も……」
それからも、議題はバシバシと決まっていき……
ステラ「じゃあ、今回の議事案について、もう一度見直すわね」
カイチュー「はい」
~忘らるる都杯における二次予選以降の順位優先決定法~
最優先・獲得ポイント
2番目・牝羽優先(牝→牡の順番)
3番目・最上位順(それが同じなら2番目の順で決定)
4番目・年齢優先(3歳→7歳上→その他の順番)
5番目・プレーオフ
ステラ「こんなところかしら、とりあえず」
カイチュー「(本当に色々決めちゃった……キングダムいないのに……いいのかな?)」
ステラ「そうそう。ちなみに1次予選・限定戦の決勝においては、ポイント→最上位順→プレーオフのフレッシュオールスターGP3ルールのままだから、そこも言わないとね」
カイチュー「分かりました。なら、これで決定ということで」
ステラ「ええ。これで私たち女チョコボにももっと日が当たるといいな~」
カイチュー「(近頃は強気女の世代、って言われてるけど、それがチョコボ界にも来てるのかな……?)」
ステラ「カイ君、何か言った?」
カイチュー「か……カイ君?」
ステラ「うん。カイチューだからカイ君、もっと呼びやすくなったでしょ?」
カイチュー「ま、まあね……」
ステラ「これからもよろしくね、カイ君!」
カイチュー「は、はい……」
慣れるのにはまだ時間がかかりそうなカイチューだった……。
by sato1989smtv
| 2013-04-14 22:31
| 開発室